はじめに

「カンボジア子ども基金きぼう」の誕生の経緯

■ はじめに

2001年、カンボジアの遺跡群でアンコール王朝最盛期の仏像274体が発掘されました。それは上智大学アンコール遺跡国際調査団(石澤良昭団長)による世紀の発見でしたが、その発掘現場には、プノンペンにある王立芸術大学で学んでいた若き考古学者ピン・ピャクディ氏と、彼の師であるニム・ソティーブン氏が調査に加わっていたのでした。

奇しくも、ピン・ピャクディ氏は2009年に姉のピン・ピロンさんと同じように留学生として来日し、2016年にカンボジアに帰国するまでの間、上智大学での研究の傍ら、カンボジアの子どもたちと日本の若者の架け橋となって、互いの信頼の絆を強めました。彼の帰国に際し、この信頼関係を持続させていくことを希望して、「カンボジア子ども基金きぼう」が誕生する運びとなりました。